インドビジネスがよく分かる中島敬二のインドコラム

ロシアから原潜をリース 軍整備の動き目立つ

2012年2月6日
 
ロシア政府からインド海軍への原子力潜水艦(原潜)「ネルパ」の引き渡し式典が1月23日に実施された。これでインドは米国、ロシア、フランス、英国、中国に続いて世界で6カ国目の原潜運用国になった。
 
10年間のリース契約で、金額は9・2億㌦(約710億円)。マンモハン・シン印首相が2007年11月にモスクワを訪問した際に調印し、08年末に引き渡される予定だった。だが、その直前、航海中に乗組員20人以上が死亡する事故が発生し、引き渡しが遅れていた。
 
ネルパには、射程距離3200㌔の巡航ミサイル「グラナート」が搭載されていたが、ミサイル技術の移転を規制する国際協定上の制約のため、引き渡しにあたり代わりに射程距離300㌔の「クラブ│C」が搭載された。07年の調印後、数百人の乗組員候補のインド人がロシア海軍施設で就航技術訓練を受けている。インド海軍だけで、ネルパは運航されることになるのだ。
 
1年後2013年に就航予定で現在、実験就航中のインド初の国産原潜「アリハント」には、長距離ミサイルが装備されている。ネルパを多額の費用でリースし、インド海軍だけで運航できる体制を整えた理由は、新型戦略原潜の配備を進める中国に対抗できる軍備を持つため、と言われている。中国との緊張関係が高まりそうだ。
(こちらの記事は過去の週刊エコノミストに掲載されました)