インドビジネスがよく分かる中島敬二のインドコラム

世界2位の糖尿病大国 食生活の変化で急増

2014年6月21日
 
経済発展に伴い、インドで糖尿病患者が急増している。国際糖尿病連合(IDF)によると、2013年のインドの糖尿病人口は6507万人。中国の9840万人に次ぐ世界2位の糖尿病大国だ。
 
最近発表されたムンバイ市と米ジョンソン&ジョンソン社による集団検診の結果によると、糖尿病と診断された患者の約12%が無自覚だった。検査を受けていない潜在的な患者数を含めれば、インドは中国を抜いて世界一の糖尿病大国となる可能性もあるという。
 
一昔前まで、インドでは肥満は冨と美のシンボルであり、糖尿病は富者の証だった。糖尿病になった人たちは、半ば得意げに話していたものだ。だが現在では、糖尿病はインド人にとって最も恐ろしい病気となっている。
 
糖尿病患者が増えた背景には、経済発展により糖質や脂分の多い食事をとる機会が増え、カロリーを過剰摂取するようになったためといわれている。元来、インド人の大半は低カロリーの食生活に長年慣れていたため、体質的に高カロリーな食事が体にあわないのではないかと指摘する医師もいる。
 
たしかに、インドでは就寝前の遅い時間に夕食を摂る人が多い。砂糖をたっぷり加えた甘いチャイをいただく習慣も、カロリーオーバーに拍車をかけていそうだ。若年層の糖尿病患者が急増しているといわれており、社会的な影響が懸念されている。
(こちらの記事は過去の週刊エコノミストに掲載されました)