インドビジネスがよく分かる中島敬二のインドコラム

経済停滞で就職難に 米大学院への留学増加

2013年12月3日
 
インドから米国に留学する学生が急増している。最近発表された米大学院評議会(CGS)年次報告書によると、2013年にインドから米国の大学院に留学した学生はこれまでのところ前年比で40%増加したという。過去2年間は1〜2%の増加であったのに比べて、急激に増えている。
 
米国大学院への留学では、中国からの留学生が過去7年間連続で2ケタ増を続けてきたが、今年は5%増に鈍化。久々に伸び率でインドが中国を抜いた。
 
大学院への留学が急増する背景には、インド国内の経済が停滞しているため、大学卒業後に就職できない学生が増えているという事情がある。
 
インド政府が発表している都市部の失業率は10月時点で3・7%だが、実際にはこれをはるかに上回るとされている。そもそも、インドは恒常的に失業率の高さが問題になってきた。リーマン・ショック前の経済成長期に発展したのは主にIT産業などであり、労働集約的な製造業の広がりは予想されたほどではなかった。これに、昨今の低成長が加わり、若者の失業率が一気に上昇した。
 
インドは厳しい受験戦争で知られている。学業優秀な学生は、国内最難関のインド工科大学への入学を目指し中学時代から1日10時間以上勉強する人も珍しくない。優秀な学生たちの国内流出もまた、インドの抱える課題の一つとなっている。
(こちらの記事は過去の週刊エコノミストに掲載されました)